CG制作費用の一般的計算方法
多くのCG制作会社が「人工(にんく)※1」という単位で請求金額を割り出しています。
例えば「1人工」というのは「一人のクリエイターが一日フルに稼働した(ときの料金)」という意味です。この1人工の相場ですが、2024年11月現在でおよそ7万5000円です。この金額は、クリエイターとしての職歴が15年を超える、いわゆるベテランのクラスの平均的な請求金額です。
この相場は年々上がっており、去年の4月は7万円でしたし2015年は5万円と言われていました。つまりCG制作の人件費はこの数年で1.5倍に上がっています。
とはいえ2015年以前は企業努力とデフレの影響でこの金額が上がらなかっただけであり、物価高騰のあおりを受け、多くの善良な感覚を持つプロダクションの経営者は「人件費を上げて給与に反映させるべきだ」という意見を何らかの形で表明しています。この数字を基にして相場をご説明申し上げます。
10秒1カットの値段
結論から申し上げますと、さほど複雑でないCGカットの制作で、なおかつ複数のカットを同時にご発注いただいた場合で「10秒1カットで10万円~25万円」が相場となります。
幅がすごく広いですが、こういった幅がある数字を見た時、大抵の方は自分に都合良く理解するもので、「じゃあ10万円で相談に乗ってくれる可能性があるな…場合によってはもっと価格を交渉できるかも」などと考える方がおいでですが、あまり希望的観測を持たずにいたほうが良いと思います。というのも、この業界は売り手市場が続いていますし、これまでにも買い手市場になった試しがありません。
もちろん、ひとつの映像作品で大量受注した場合は、もっと安価になります。逆に要求水準が高くなり、工数もかさめばより高額となるでしょう。ここではそんなCG制作費用に関する考え方をご説明してみたいと思います。
相場は「1分=150万円」(2024年11月現在)
一般的によく言われていることですが、「1分150万円(2024年11月時点)」という相場が業界内でのひとつの基準となっているようです。私たちのアライアンス各社も、概ねこの基準に則って金額を算出している会社ばかりです。そしてこの相場は過去に多くのCG制作者たちが守ってきた相場ですので、抜け駆けで安価にすることは業界全体の不毛な価格競争を起こさないためにも重要なことと、どのCG制作会社も思っています。まず基本的な値段は変わらないと思って良いのではないでしょうか。
多くのCGは300フレーム、10秒を基準にして1カットの映像を構成することが多いので、1分150万円の相場から逆算すると、正価では大体1カットが25万円程度になることが多いようです。
大量発注いただければ安価になります
大量発注していただいた場合、手配に関わる人件費(打ち合わせのための移動費、人件費)などは受注カット数に関わらずあまり変わらないことが多いので、1カットに対する手配費用が減少する傾向になります。そのため、結果として1カットの価格は下がります。
また、大量発注いただく場合、ひとつのCGモデルを改編して複数のカットを作成するようなパターンが多くなります。こういった場合は工数そのものも減るため、結果として1カットあたりの費用が下がる傾向があります。
よくある事例ですと、1時間尺のテレビ番組のような作品の中で使うCGをすべて制作すると、およそですが30カット程度になることが多いですが、この位の数がまとまると、1カットあたりの費用が10万円程度に下がることが多いように思います。
テレビ番組に使われるCGの制作現場でよくあるのが、「3日間でCGを作りたい」という急ぎのパターンです。
そもそも動画/映像におけるCGを作っているCGクリエイターというのは、テレビ番組やCMなどの映像制作現場でディレクターやプロデューサーを経験しているなど、映像の演出を理解している専門家でもあり、なおかつCGの制作をプロして行っているというパターンが多いので、映像制作現場のディレクターより長い経験があるベテランであることが多いです。
もちろん若手もいますが、どうしても経験値が及ばず基礎的な工程を担当していることが多く、仕上げまで考慮するとベテラン中心の現場にならざるをえないのです。その分、人件費も高額になります。
また、CG制作会社というものは四六時中仕事がある性質の会社ではありませんし、ハードウェアやソフトウェアにかなり先行投資が必要です。お客様と同行して動く撮影技術会社のENG機材とは違い、CGの制作現場はお客様からは見えにくいコストでしょうが、このように会社を維持するために必要なコストを計算すると、大体この相場観がギリギリのラインと言ってよいと思います。
コラム◆CG制作費が高くなる理由
多くのテレビ番組制作者が「CGは高い」と言います。私たちの会社も、請求書や見積書を送った際に「なぜこんなに高いんだ」と聞かれ、納得していただくために四苦八苦した経験は一度や二度ではありません。たぶん多くのCG制作会社が似たような経験をしているはずです。
コラム◆CG制作費を安価に済ませるコツ
今回はCG制作費をなるべく低く抑えるためのコツをご紹介します。おおまかに、以下のようなコツが挙げられます。
①CG動画のイメージをディレクターが明確に持つ
②早めに発注して時間に余裕を持つ
③番組の予算管理をしているプロデューサーが直接制作期間や価格を相談する
いつも思うのですが、ほとんどの仕事で、上記の三つのどれかが無いために、結果としてCGの制作費が高くなりがちです。以下にそれぞれのコツについてくわしくご説明してみたいと思います。
運営会社デキサでのCG制作料金解説ページ
当サイトを運営しておりますデキサホールディングス株式会社のサイトでも、CG制作の料金について詳しく解説しています。
このサイトを更新しております2023年4月現在、東京23区内で食品の価格が昨年比で8%以上の値上げとなっております。こうした物価高騰を受けてCGを制作する各社、またCGを活用した映像/動画を制作している映像制作会社などが、将来的な賃上げを視野に値上げを行っています。
デキサホールディングス株式会社でも、上記のような経済的な動向を注視しながら、同時に企業努力を重ねつつCG制作費用の標準的なレートをリードする存在であろうとしています。
ぜひ、下記リンクから参考としてCG制作費用のページをご参照ください。
※1~デキサホールディングス株式会社のサイトから
※2~デキサホールディングス株式会社における相場をご紹介しています。