CG制作費を下げるコツ
高額なCG制作費用を安価に済ませるためのコツ
おおまかに、以下のようなコツが挙げられます。
①CG動画のイメージをディレクターが明確に持つ
②早めに発注して時間に余裕を持つ
③番組の予算管理をしているプロデューサーが直接制作期間や価格を相談する
いつも思うのですが、ほとんどの仕事で、上記の三つのどれかが無いために、結果としてCGの制作費が高くなりがちです。以下にそれぞれのコツについてくわしくご説明してみたいと思います。
①CG動画のイメージをディレクターが明確に持つ
特にテレビ番組のCGの場合に覆いのですが、とにかく「発注すること」が優先で、ディレクターさんもあやふやなイメージしか持っていないことがあります。CGというのは明確に形状をモデリングし、アニメーションさせる必要がありますが、ディレクターさんがあやふやなイメージしか持っていない。「なんとなくこんな感じ」という説明しかできないことが多いです。
そこで、何とかして明確にイメージしてもらうようにCG制作者サイドでも促すのですが、このような場合はまずCGを制作するのに十分な情報が揃うことは稀です。そこで時間的にも限られているので、あやふやなイメージを基にCG制作者サイドでリサーチなどをしつつコンテを切り、CGの制作をします。ところが、出来上がったものを見ると、それまで何も言わなかったディレクターさんからいろいろ意見が出るわけです。で、結局作り直し。
こういう場合、そもそも最初の受注時の(あやふやながらも)提示された条件はすべて満たしているため、この作り直しは「お客様都合」ということになり、請求に乗ることになります。
安価にあげるためには、まずはディレクターが明確なイメージを持ち、それをCG制作会社に伝えることです。
②早めに発注して時間に余裕を持つ
このサイトは「特急制作」を謳うCG制作会社が集まって運営しているのに、「時間に余裕を持つこと」とは何事かと言われるかもしれませんが、実際、特急制作は高いです。ですから、できる限り特急制作は避けたほうがお財布には優しいです。
CG制作会社、特に特急制作を受けている会社の場合は、ほとんどの場合、アライアンス関係にある複数の会社に仕事を分担して同時並行的に作業を進めます。それでも間に合わない場合は24時間体制で働くことになる。結果として深夜手当は入るし、残業は増えるしで、下手をすると二倍三倍とコストがかかってしまいます。
ですから悪い事は言いませんから、なるべく早めに発注していただければと思います。それだけで通常の営業時間内で済む仕事になり、結果として安価に仕上がるのです。
③プロデューサーが直接制作期間や価格を相談する
これは番組制作の世界のトップでもあるプロデューサーさんの仕事のスタンスへの意見なので、本当に言いにくいことでもあるのですが、番組の予算を切り盛りしているはずのプロデューサーさんから、なんで値段の相談とかまったくないのかな?と思います。
大抵の発注はADさんから最初の連絡が来ますし、しかもその連絡が正式発注である場合がほとんどで「●●のCGを●カット、●●日までにお願いします」という発注です。そこに値段の相談はまったくありません。さすがにこれでは請けられないので「ご予算はどの程度ですか?」と伺うのですが、もうプロデューサーさんは帰ってしまっていないということです。翌日納品しないとならないCGですから、それこそプロデューサーさんの出社を待ったら命取りです。さらに悪いことに当然契約書すらありませんので、値段的にはCG制作会社の規定の料金を普通に合算して請求することになります。しかも特急制作のバカ高い請求書です。
もしプロデューサーさんから直接ご連絡をいただければ、ディレクターさんやADさんと違って編集のスケジュールなどの決定権があるわけですから、少しCG制作の期間に余裕を作ってもらって安価に仕上げることもできるかもしれないのに、それも不可能です。
できれば値段と期間の件だけはプロデューサーさんからご連絡をいただき、相談の上で決めたいところです。