テレビ番組におけるCGの特徴

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映像作品に不可欠となったCG動画カット

CGは今では映像作品にとってなくてはならないものとなっています。CMではイメージショットとして多用されていますし、商品カットも今ではほとんどがCGで描かれています。また映画ではセットを実際に組むよりも表現の自由度が広がるため、多用される傾向にあります。
ではこうした映像作品の中で、テレビに限ると、CGにはどのような特徴があるのでしょうか?ここではテレビ番組に使われているCGの特徴について詳しく触れてみたいと思います。

テレビのCGは引き算がモットー

テレビ番組は尺の自由度が低いという特徴があります。放送枠の中に収める必要があるため、オフラインでは少し長めにつないでおき、本編集時にカットを間引いたり、無駄なフレームを切り詰めるといった「刈込」が行われます。つまり、テレビ用CGというのは「短い尺で端的にシンプルに伝える」ということが求められています。
例えばCGカットのカメラワーク。CMや映画ならCGカメラをゆっくりドリーさせるような動きがあったほうが立体感が出て美しいのですが、テレビの場合はそのドリーの時間が無駄となる可能性が大きいので、フィックスで描くほうがむしろ多くなります。
また描き込みが多いと、視聴者は短い時間で理解することが難しくなります。短い時間で効率よく情報を伝えるためには「描き込みをせずに論点だけをシンプルに見せる」という工夫が必要になります。つまるところ「足し算」ではなく「引き算」を徹底して行い、最後に残った要素だけに集中して描くということが求められるのです。

テレビのCGは用途を考える

映画と違い、テレビのCGは様々な用途に用いられます。大きくわけると「タイトルCG」「ベースCG」「説明用CG」の三種類です。
タイトルCGは番組タイトルなどに使われるCGで、映像作品たる番組のイメージを決めてしまう大切なカットです。ですからデザインワークが特に求められる仕事となります。当然デザイナー主体のチームを編成して番組のプロデューサーや演出とも綿密な打ち合わせを行いながら制作する必要があります。
ベースCGは表組や文字などの下地に使うCGカットで、タイトルCGと共通するデザインで制作する必要があります。これもデザイナー主体で制作する必要があります。
さて、三つ目の説明用CG。こちらが私たちが得意としているCGカットで、最も番組スタッフからの需要が大きい分野です。ここからはこの説明用CGに論点を絞ってお話ししましょう。前述の「シンプルさがモットー」と紹介したテレビ用CGも、この説明用CGに絞って解説したものです。
上記のようにテレビ番組の中には様々な用途のCGカットが使われるため、CG制作者は「そのカットが一体どのように使われるのか?」を理解し、適材適所で表現手法を選ぶ必要があります。

低予算ながらもハイクオリティを目指す

残念ながら、テレビの説明用CGには多くの予算が割り当てられることはありません。番組制作者の方から見た時、シンプルであるがゆえに、それだけのコストがかかっているとは思えないのでしょう。しかし本来はシンプルに描くために論点を明確にするなど「リサーチ」が必要ですし、CGプロデューサーやCGディレクターにとっては負担が大きいのも説明用CGの特徴ですので、CG制作者としては、できたらこの労力をお考えいただければと思うのですが、なかなか…というのが実情です。
概ねですが、1カットにつき5万円から15万円程度が相場となっています。この限られた予算の中で最大限の仕事をする工夫がテレビのCG制作会社には求められています。

制作時間が限られる

テレビ番組のCGを制作する期間ですが、長くて一週間程度ではないかと思います。しかし番組制作者からの要望を見ると、もっと短い期間で制作する「突破力」が求められることがあります。
映画やCMのCG制作を長距離走とすると、テレビのCGは短距離走です。短い時間の中でより効果的なワークフローを組み、瞬発力をもって立ち向かう必要があるのです。
私たちのアライアンスは、この短時間での作業をいかにして行えばよいかを考え、使用するソフトウェアから「短距離走」に最適な環境を整えています。